AI・DX

【前編】焼肉店の“勘”に頼らない仕込みと人員配置:最新AIで現場が変わる

「今日は忙しくなるかも…」「この天気ならお客さん少なそう」

そんな“勘”に頼った仕込みやシフト組みを、そろそろ手放してみませんか?

焼肉店をはじめとする飲食店では、天候や曜日、イベントなどによって来客数が大きく変動します。しかし、その予測は店長やマネージャーの経験に頼りきり。仕込みすぎて食材ロスが出たり、逆に人手が足りずサービスに影響が出たり…。そんな悩みを解決するヒントが、最新のAI技術「PredFormer」にあります。

ViTを応用した次世代型AI「PredFormer」

2025年のICLRで注目を集めている「PredFormer」は、これまでのAIとは一線を画す構造を持っています。従来のRNN(再帰型)やCNN(畳み込み型)といった手法では限界があった予測精度や処理スピードに対し、このAIはTransformerという技術をベースに「空間(どこ)×時間(いつ)」の両軸で予測が可能です 。

特に優れているのは以下の3点です:

  • 予測精度の高さ:天気予測データでは、従来モデルと比べてMSE(誤差率)を最大で51.3%も削減 。
  • スピード:従来533FPSだった処理速度が、PredFormerでは2364FPSまで向上 。
  • 構造のシンプルさ:複雑なルール設定や大量のチューニングなしでも、高い性能を発揮します。

焼肉店での活用イメージ

では、このAIが焼肉店でどう役立つのでしょうか。以下は想定されるユースケースです。

1. 仕込み量の最適化

仕入れコストを抑えつつ、売り逃しも防ぐためには「来る人数」をある程度見込む必要があります。PredFormerは、過去の来店データや天候、曜日、地域イベントなどをもとに、「いつ・どのくらいお客様が来るか」を予測することができます。

2. シフトの事前調整

「今日は予測より来店が多いから、夜の部は早めにヘルプを呼ぼう」

そんな調整も、予測があれば“準備しておける”ことになります。しかもこのAIは、将来の来店パターンも含めて見通しが効くため、急な対応ではなく“計画的な人員配置”が実現できます。


次回【後編】では、PredFormerが従来のAIとどう違うのか、具体的に焼肉店で導入する方法、そして「今のオペレーションを崩さずに導入できるのか?」という疑問にもお答えしていきます。

株式会社みんなのAI 代表取締役 栗田侑樹@京都

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